巣穴暮らし

ザリガニかもしれない

生き地獄

体が思うように動かない。心は毎日のように部屋の外に出て、この世界中を旅したいと言っているのに、私は布団をはがして立ち上がるのが精いっぱいだ。

ずっと寝ていると、身体は横たわっているのに、心はどこかに浮かんでいるような感覚になる。私は夢の中を自分の意識で動くことができるので、よく夢の中で探検をするが、どちらかというとあまりよくない夢を見ることの方が多い気がする。

何種類かの夢を見た後、目が覚めると、3回に1回くらい、すこし元気が戻ってくる瞬間があった。

 

私はその瞬間をうまく見極めて、2日ぶりのシャワーを浴びた。

自分のID(mizu-sukisugi)にも示しているように、私は水が好きだ。水はすべてを洗い流してくれる。

お風呂はあまり得意ではないけれど、たくさんの温かい水で、やろうと思えば毎日身を清めることができるのは、とんでもなくありがたい贅沢だと思う。どれくらいありがたいかというと、狩りにいかなくてもお肉を食べられることくらい、ありがたい。

温かい水というのは、金や銀より価値のあるこの世界の恵みの1つなんだと信じている。

元気がなくてお風呂に入れない日も、手と足はなるべく頻繁に洗うようにしている。お金はぜんぜんないけれど、それでも少しお金を出して買ったお気に入りの石鹸を使ってていねいに洗う。今使っているのは、ローズマリーの石鹸。そうするとお風呂にはいったようにすっきりする。

体が温まったら、私の勝ちだ。この生き地獄を少しでも天国に近づけるための戦いがいま始まる。