巣穴暮らし

ザリガニかもしれない

時代を超えて🐢

このごろ、お抹茶を毎日点てはじめたのをきっかけに茶道具を集めはじました。

もともと母がお茶を習っており、私の学生時代、京都の骨董市(弘法市とか、がらくた市とか)に出かけては自転車いっぱいの戦利品(=茶道具)を私に見せびらかしてきたので、そんなにたのしいものなのだろうか。でも、茶道具たち、なんとなく趣があるな〜とくらいに思っていました。

その後、母に幾度となくお茶席に連行されたり、同じくお母さまがお茶を習っていたという友人とともにお茶をいただき、りっぱな庭を見る…(重要文化財に指定された建物の、あまりに美しい庭でした。友人はここで息絶えたいわ〜と言っていました)といったことを繰り返しているうちに、茶の湯の文化の奥深さに気付かされました。

 

でも道具を揃えるのにはお金がかかります。

茶筅とか地味に高いですし、母の様子を見ているとお抹茶も小さい缶に入っているのにお値段は可愛くないみたいです。だからなかなか第一歩を踏み出せずにいました。

ところが!

先日、仲のいい友人を宇治に案内する機会があり、お茶屋さんを色々と見て回りました。それがきっかけで私はついに茶筅と茶匙、お抹茶を手に入れたのです!わーい!

私より先に茶筅を買う選択をしてくれた友人よ、ありがとう。そのとき貧乏すぎて、一人では買う決断ができてなかったと思います。

 

それをきっかけに、母からもらった抹茶碗に加えて自分で選んだ抹茶碗がほしい!と思うようになりました。

この鈴虫茶碗が私が人生最初に自分で選んだお茶碗です。こちらはフリマアプリで譲っていただきました。

お茶の先生が所有されていたものだそうです。

 

そのほかにも、

とても珍しい柄の楽茶碗を北野天満宮の弘法市で発見し、譲っていただきました。北斗七星が可愛い。この茶碗はお抹茶がとても点てやすくてとても気に入っています。

 

お茶碗など、茶道具の写真はあまり世に出したくない(インターネットの海に流したくない)ような気がするのですが、なぜでしょうか?

同じものに巡り合えることが少ない(全く同じものは存在しない)分、独り占めしたいという気持ちがあるのかもしれませんね。

でもネットで他人の茶道具を見るのは大好きです。なので載せてみました。

 

このように、現代で古い茶道具を手に入れたいとなると、①骨董市に出向くか、②インターネットで持ち主の方から直接譲っていただく、という方法が一般的、かつ合理的であると思います。

新品の茶碗が欲しい人はネット通販か、うつわ屋さんに出向くか、もしくは(京焼が欲しい場合)京都に来たついでに東山区にある茶碗坂に行けばいいのではないでしょうか。ついでに清水寺にも行けます!

ちなみに私は古いものが好きなので、新品の茶碗はあまり見ず古いものばかり漁っています。

正体不明、来歴不明なのが好きです。

 

 

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というわけで、私は最近、毎日のようにフリマアプリやオークションを監視しつつ、骨董市がある日は出向いて1万歩くらい歩き回るという日々を送っております。

何も買わなくても見ているだけでとても楽しいです。

ですがこだわりが強い方なので、たくさん見ていても欲しいと思う品がなかなか見つかりません。そもそも自宅が狭く物を増やしたくないので、お迎えまでのハードルが高めなのです。

そのせいか、やっと素晴らしい!物を増やしてでもお迎えしたい!と思うお品に巡り会えても、数万円や数十万円とかのお値段が付いている物が少なくないです。

初めて訪れた弘法市で骨董屋さんに「あなたはお目が高い!あなたのような人はこういうところのお嫁に来ると素晴らしいです」と褒められたのがいい思い出です。サボテン屋さんでもお目が高いわね〜と褒められたことがあります。えへ。

 

自慢してしまいました。ごめんなさい。

そんなこんなで毎日ネットを徘徊し、1日に何百点と茶道具を眺めていると、たまに可愛くてお安い奇跡のような茶道具に出会えることがあります。

この前は可愛らしい亀の香合(お香を入れておく入れ物)に出会い、迷わずお迎えしました。

(部屋が暗くてすみません…今写真を撮りました。夜中です)

なんと可愛い亀さんでしょう。ほんのりひかえめな緑色が上品で、おめめキュルキュルです。うう…可愛すぎて辛い。時代を超えてはるばるうちに来てくれたの…?未だに信じられぬ。。。

 

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インターネットで古い茶道具を探すと、説明欄に「祖父母のコレクションです」とか、「旧家の蔵に眠っていたものです」と書かれていることが少なくないです。

特にたくさん出品されている方は、おばあさまがお茶の師範だったという場合が少なくないみたい。

なので、そういうご家族が遺されたものをできれば大切にしたい、ぞんざいに扱いたくない。でも多すぎて手放さないといけない…という出品者さんたちの気持ちが痛いほど伝わってくる気がしています。

なので私も、購入時には「お茶を始め、最初の●●としてお迎えさせていただきました…とても可愛いです、末長く大切にさせていただきます」的な感じで、できるだけ感謝の言葉を添えるようにしています。そうすることで、「大切にしてくれそうな人の元にわたってよかったな」と安心してもらい、少しでも手放す方の心が楽になればなと思っています。

そうしていたら、かなり嬉しいことがありました。

亀さんを受け取った数日後、なんとなく評価コメントを見てみたら、こんなお言葉が。

そんなやさしい言葉を他人にかけられる出品者さんの優しさに、うるっとしてしまいました。亀さんがもしも喜んでくれていたら、そんなに嬉しいことはありません。にやにや。

 

思い出と共に大切にしたいと思います🐢

 

長いのに最後まで読んでくださってありがとうございました。

まだお抹茶を点てたことがない方も、気軽に始めてみてはいかがでしょうか。自宅で楽しむなら、お抹茶と茶筅とお茶碗(ご飯を食べるやつでも可◎)があれば十分です。

最初は詳しくルールを知らなくても、心が落ち着いて、少し楽しければそれでいいと思います。いずれ、お気に入りの道具にも巡り会えればそんなに素敵なことはないですね。🍵